訪日外国人向け茶道体験が、ビジネスにもたらす効果とは
〜訪日外国人のおもてなしを担当なさっている方へ〜
外国人向けの日本文化のアクティビティは、日本への興味や理解を深め、ユニークな経験や思い出になるため、充実した訪日体験を提供する重要な要素となります。
総合芸術として根強い人気のある「茶道」を、おもてなしに取入れてみませんか?
ここでは、私(大澤美智子)が大手企業様からのご依頼で(2023年7月)、訪日外国人を招いた懇親会アクティビティとして出張茶道をご提供した時の事例を通して、その価値や魅力、参加者様やイベントご担当者様からのリアルなお声などをまとめました。
ぜひご検討の際にお役立てくださいませ。
(※今回はクローズドなイベントのため、一部モザイクをかけたお写真も含まれます。)
訪日外国人を日本文化でおもてなしする魅力や気をつけることはこちらでご紹介しています。
目次
今回の茶道アクティビティの主な内容(事例紹介)
事前のお打ち合わせ
今回の企画に際して、ご担当者様からお問い合わせ後、Zoomでお打ち合わせさせていただきました。
事前のお打ち合わせでは、お時間や現場条件はもちろんですが、お客様層や企画の主旨、目的をお伺いいたします。
ご担当者様自身が茶道の経験がないことがほとんどですので、一連の流れをご説明して、条件やご予算に合うように企画のご提案をさせていただきます。
他社様での事例などもご案内して、訪日外国人の皆様がいかに感動されたかもお伝えいたしました。
この度は要人のお客様と社員様が45分間で、格調高くかつ和やかにコミュニケーションをとれるように内容を組み立てさせていただきました。また当日の進行によって時間が短縮されることも予想されていたため、30分間以内に短縮する場合も想定してご準備させていただきました。
茶道文化の紹介
パフォーマンスの披露だけではなく、茶道の歴史や文化や精神性を最初に解説いたしました。
茶道のパフォーマンスをお見せするだけでも感動はしていただけるのですが、これだけですと単なる観光になってしまうことがあります。
茶道の文化的な背景や、作法が生まれた背景などを事前にご理解していただくと、体験をより深く楽しむことができます。
茶道の中には日本人らしさや日本人としての考え方も含まれているので、外国人のお客様には「日本人の行動原理を理解できた」と仰られるかたもいます。
簡単な英語の質問には私がお答えすることもありますが、今回は通訳のかたがいらっしゃったので、事前に原稿をご提出し、日本語と英語でスムーズに解説をすることができました。
茶道パフォーマンスの披露
今回は、会場にあるオープン茶室で、私(大澤)が表千家茶道の点前(てまえ)披露をしました。
茶道の点前というのは、お茶を点てるための一連の行為全てをさし、繊細で無駄のない所作の連続を、正確な手順や作法に基づいて行います。
道具を清めながら、自分自身の心も茶室も、そしてその場にいるお客様の心も清め、落ち着かせていく効果があります。
私の点前をご覧になった方からは、「いつの間にかぐっと引き込まれていく」とよく言われますが、この度も「一瞬で空気が変わった」「とても心が落ち着いた」など嬉しいお言葉もたくさん頂戴いたしました。
点前披露のあとは、私の茶道教室の生徒さん方が、お客様役とお茶をお運びする役をし、茶席全体の流れや雰囲気をご覧いただきました。
普段は実際にお客様に茶室に上がっていただくこともありますが、時間の関係で私共で流れをご披露いたしました。
その際、私の事前原稿を元に、所作の意味や見どころについての解説も加えていただいたことで、お客様のご理解が高まり、大変好評でした。
更にVIPのお客様のおもてなしとのことでしたので、お手伝いしてくださる教室の生徒さんも着物で揃えました。
やはり伝統衣装の着物の魅力は高く、場の格がぐんと上がり、記念の写真撮影のお声も多くかかり、お喜びいただけました。
実は私共も、お恥ずかしながら嬉しいひと時であります(笑)
テーブル茶道体験
茶道は正座して行うものと思われがちですが、テーブルでも行えます。
今回は、スーパーフードとしての抹茶や、禅の精神性を踏まえたマインドフルネス効果を高める方法をご紹介し、実際にご自身で抹茶を点てる体験をしていただきました。
テーブルにはあらかじめ、抹茶の粉末の入った茶碗と国産茶筅、そしてご依頼主様の会社のロゴの入った特注和菓子が、皆様に一つずつ置かれている状態からのスタートです。
まずは和菓子を召し上がっていただきながら、解説をいたしました。
座り方、姿勢、茶筅の持ち方、振り方のコツなどを練習した後、お湯を入れて抹茶をご自身で点てていただきました。
最初は茶筅の動かし方が難しく、なかなか泡がたたなかった方もいましたが、ちょっとしたアドバイスで上手くできるようになります。
姿勢を正し、呼吸を整え、心を落ち着けて茶筅を振ることで、心身ともにリラックスして、心が浄化されるような感覚を味わっていただけたようです。
見るだけ飲むだけより、このように自分で点てる体験が加わることで、お客様のご満足度がどんどん上がっていかれます。
ちなみに、巷では抹茶を全て飲み干せない体験者も多いと聞きますが、今回飲み残された方はお一人もいらっしゃらないようでした。
私共がご用意するのは、当方のオリジナルブレンドの『夢銘』(むめい)で、苦味もマイルドでお茶の甘みがしっかり感じられる大変飲みやすい抹茶です。
抹茶を飲み慣れた社員様からも、「抹茶がとても美味しい。」とお褒めのお言葉をいただきました。
お客様のお声
今回は、アジア各国からの訪日外国人と日本人との懇親会でのアクティビティでしたので、国内外の参加者の方から嬉しいご感想をいただくことができました。ここではその中から一部ご紹介いたします。
【外国人ゲストの方のご感想】
・とても優雅で見ていて心が落ち着いた。
・お点前をLIVEで見たのは初めて。生で日本文化を感じることができてとても感動した。
・着物は華やかで良いですね。
・見るだけでなく自分で点ててみることができたのは、とても楽しい体験だった。
・茶筅の動かし方が難しかった。はじめは泡がたたなかったが、アドバイスをもらったら上手くできた。
・(抹茶のお味について)和菓子によく合いますね。→(チョコレートやクッキーなどのスイーツにもとても合うことをご案内) → Good! 今度やってみたい。
【日本人ゲストの方のご感想】
・茶道点前は普段の慌ただしい毎日とは別世界で時が止まったような特別な空間だった。しばし何も考えず見入ってしまった。このような時間を持つことは本当に大切だと思う。
・毎日忙しくしているので、心が落ち着くこのような素晴らしい日本の文化を海外からのゲストと一緒に実際に体験できて本当に良かった。日本人として誇らしく感じる。
・今まで抹茶を飲んだことはあったが、自分で点ててみる体験は初めて。レクチャー付きなのも良かった。心身ともに浄化される気がした。素晴らしい企画だったと思う。
・日本人でも抹茶を点てたことがないので、とても貴重な体験をさせていただきました。
・日本人でも初めて茶筅を振ったので嬉しい体験だった。
イベントご担当者様のご感想
「先日のイベントでは不勉強かつ、準備期間にあまり余裕がなくご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。ですが、イベントそのものは、来場者様のみならず他の関係参加者からも大変好評をいただきました。ひとえに大澤様に親身にご協力いただいたおかげだと感じています。ありがとうございました。」
今回ご依頼いただいたご担当者様から、このような嬉しいお言葉を頂戴し、大変嬉しく思うと同時に、これからも感動を呼ぶ素晴らしい出張茶道体験を通して、お客様のビジネスに価値を提供していきたいと改めて感じております。この度は本当にありがとうございました。
訪日外国人向け茶道体験が、ビジネスにもたらす効果
このように茶道パフォーマンスやテーブル茶道体験のアクティビティをおもてなしに取り入れることにより、感動を呼ぶ素晴らしい体験を提供することができ、ビジネスにおいても下記のような効果が期待されます。
1、生の文化体験による日本文化理解
日本の伝統文化を「生で」体験する機会は、新鮮で貴重な体験となり、日本の文化や価値観に触れ、日本人や日本文化の理解をより深めていただけます。
2、ブランドイメージの向上
茶道は、日本の伝統文化として高く評価されており、繊細さや精神性を象徴しています。訪日外国人に茶道体験を提供することで、日本企業や組織は、品質やホスピタリティにおいて高い水準を持っているという印象を与えることができ、これにより、ブランドイメージの向上や訪日外国人からの信頼獲得にもつながるでしょう。
3、文化交流と相互理解の促進
茶道は、参加者同士が集い、お茶を通じてコミュニケーションを図る機会を提供します。体験を共有することで、訪日外国人との文化交流や相互理解が促進され、交流を通して、ビジネスパートナーや顧客との相互理解が深まり、信頼関係を築くことができるでしょう。
4、リピートビジネスや口コミ効果の創出
満足度の高い、特別な思い出となる体験を提供することで、再訪を検討したり、自身の体験を友人や家族に話したりする可能性があります。口コミによる広がりやリピートビジネスの創出にもつながるでしょう。
訪日外国人を日本文化でおもてなしする魅力や気をつけることはこちらでご紹介しています。
いかがでしたか? 今回は事例を元に出張茶道の概要をお伝えいたしました。
なんとなくでもご担当者様のおもてなしがシミュレーションできましたら幸いです。
大抵の日本人にとっても「茶道」は馴染みがなく、ご担当者様にとっても何から考えたら・・・とご心配をお抱えのことと思います。
MICE、VVIP対応のおもてなしに関するご不安やご質問は、どんな小さなことでもどうぞ私共にご相談くださいませ。
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私も日本文化継承者の一人として、お役に立てられたら幸いです。