利休七則から学ぶ。生け花やフラワーアレンジメントの技術を身につけなくても、お茶の先生になれる理由と、それよりも大切なこと
ご訪問ありがとうございます。
お抹茶Happylifeの大澤美智子です。
いつか茶道の先生になりたい方も、テーブル茶道の講師や抹茶の専門家になりたい方も(以下、お茶の先生と呼びます)、
「生け花やフラワーアレンジメントなど、お花のこともしっかり身につけなければいけないのかな・・・」と思われていませんか?
もちろん、教える職業という立場上、お花について知識や経験があって困ることはありません。引き出しや経験の多さは、生徒様からの信頼にも繋がります。
でも、生け花やフラワーアレンジメントの技術を身につけなくても、お茶の先生になれます。
今日はそのたった一つの理由と、それよりも大切なことについてお届けいたします。
目次
生け花やフラワーアレンジメントの技術を身につけなくても、お茶の先生になれる理由
お茶の席で用いられるお花のことを、茶花(ちゃばな)といいます。
茶室の場合は、床の間に掛け軸と季節の花が飾られます。
お茶とお花というと、一昔前は花嫁修行として人気の習い事だった時代もあり、お茶の先生の必須技術として両方必要のように思われるかもしれません。
しかし実は茶花には、流儀のある伝統的な生け花や、フラワーアレンジメントのように、入れ方、生け方、まとめ方など、きまった型のようなものはありません。
逆にいうと、生け花やフラワーアレンジメントのようには、花を入れないのです。そう。生け花やフラワーアレンジメントの技術は、直接的に必須ではないのです。
ではどのように花を入れるのかというと、千利休が茶の湯の心得をまとめた”利休七則(りきゅうしちそく)”に書かれています。
利休七則とは
一、茶は服のよきように点て
一、炭は湯の沸くように置き
一、花は野にあるように
一、夏は涼しく冬暖かに
一、刻限は早めに
一、降らずとも傘の用意
一、相客に心せよ
『花は野にあるように』 楚々と、素朴に、簡素に、無造作に、入れるのです。そして、人の手でいかにもそのように入れたような作為を感じさせないように、自然な姿を目指します。
では、どんな花が好まれるのでしょうか。
茶花に用いられる花とは
温室の作り花や大輪の園芸花よりも、道端の野にある草花や自然の風情を感じられる季節の花。
盛んに咲き続ける花よりも、朝に咲いて夕方には萎んでしまう一日花のような儚い草花。
咲き誇った開花した花よりも、これから咲こうとしている生命力あふれる蕾(つぼみ)。
トゲや強い香りをもつ主張の強い花よりも、素朴で地味な花。
秋には、柿の照り葉や虫食いの葉のような、ありのままの姿の葉や枝。
そう。雨風にも負けずに健気に生きている、自然のままの草花が茶花には好まれるのです。
生け花やフラワーアレンジメントの技術を身につけるより大切なこと①
茶花は、花の入れ方に決まった型がなく、「野にある花を 野にあるように」入れる、ということでしたね。
ということは、型のある生け花やフラワーアレンジメントの技術は、直接的には役に立ちません。
それよりも、まずは「道端や山道など、自然に咲いている場所を見つけ(←都会ではまず見つけるところから)、楚々とそこに咲いている自然の草花と対峙することが大切です。
野にある花とは、どんなものなのか?
野にあるように、とは、どのようにそこにあるのか?
歩道には綺麗に手入れされている花壇があり、お花屋さんには華やかな洋花が主流の現代社会では、意識して自然に触れないと気が付かない、知ることができないものかもしれません。
でも、「自然の草花と対峙する。」この記事でそんな視点を手に入れただけでも、周りの景色がまた一味違って見えてきますよ。野にある花の自然の姿を、素直なこころで見つめてみましょう。
生け花やフラワーアレンジメントの技術を身につけるより大切なこと②
と言っても、自然の草花と対峙する機会を作り、それだけで茶花の入れ方を会得するのは、簡単なことではないかもしれませんね。
茶花の本を見て真似してみる、あるいは茶席に入った時も茶花についての学びのチャンスですよね。
でも時には、どなたかの茶花が、どうしても自分の感性や趣味嗜好と相入れないこともあるかもしれません。それは正解がないからこそあり得ることです。
そして、自分が入れた茶花も、誰かにとっては感性や趣味嗜好と合わないこともあるだろう、という風に考えておくといいでしょう。
「こうあるべき」にとらわれたり、自分の未熟さを無闇に卑下することなく、草花の自然の姿を活かし、自分が感じた素直なこころで入れることを大切にしたいですね。
茶花を通して、季節の移ろいやありのままの美しさ、
移ろいの中、今を生きるもの同士の共感、一期一会。
私たちは、野にあるように入れられた茶花から、いろんなことを豊かに感じ、味わえるようになるのです。
それこそが、茶道のエッセンスを暮らしに加える醍醐味になります。
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